第100章あなたは馬鹿で自分を知らない

「どうなってる? なんであの二台が真ん中の一台を挟み撃ちにしてるみたいに見えるんだ?」

「真ん中って誰だ? スミス家のジェームズだろ」

「左右のドライバーの顔が見えない。あんな大胆な真似、いったい何者だ? スミス氏の報復が怖くないのか?」

観客は目を丸くし、口々に騒ぎ立てた。

「そこが見どころだろ! あのコーナリングを見ろ! なんて腕だ……誰にでもできる芸当じゃない!」

不意に、誰かが叫んだ。

たちまち、興奮した人々が立ち上がり始める。

ひとりが立てば、つられるように次々と立ち上がっていった。

「スミスが置いていかれた! 今日のレースでこんなの見られるなんてな! 七番と八番、誰...

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